とっても寂しくなったり
哀しくなったり
ヒトが信じられなくなったり
自分が信じられなくなったり
そんな風に気分が落ち込んだ時なんか特に
子供の頃、無条件に愛してくれたあの人を思い出して。
あの日の事を思い出して。
その人は、
普段会わない方のおばあちゃんかもしれないし
若い頃の母だったり
ご近所のおじさんかもしれないし
沈んだ気持ちの原因と全く関係がなくても
以前もらった無条件の愛を思い出すと
何故か今が赦せたりするかもしれない。
未来に希望がもてたりするかもしれない。
……………………
幼稚園の時、
突然のドシャ降りに園から出れなくて
ずっと玄関で外を見てた。
お友達は次々にお迎えがくる。
うちは共働きで、なんかあるとおばあちゃんが対応してくれるけど、
この雨ではおばあちゃんはムリ。
なにも期待せずに、ただただだまって外を見てた。
誰もせめる気持ちなんてない。
子供なんてそんなものだ。
それに、今よりずっと我慢強かったかもしれない。
ただただだまって玄関にたちすくんで
外を見てた。
園に残る子供がかなり少なくなった頃、
大雨の中に見慣れたシルエットが浮かぶ。
お父さんだ!
忙しくて、ふいのお迎えなんて一番想像出来ないヒト。
さした傘を持つもぅ片方の手には、
見たことのない小さな傘を持ってた。
お父さんは、新しい傘をもってお迎えに来てくれた。
しかもとってもかわいい絵柄の傘。
何もかもが新鮮で、とってもとっても嬉しかった。
……………………
なんかよくわかんなけど
思い出すとじんわり涙でにじむ。
お父さんの声が聞きたくなったり。
全部OKになったりする。
単純?
ちいさな頃のちいさな思い出が
なぜココロを救ってくれるのか
言葉で説明できなくても
ハートが満たされるならそれが答え。
それで今がもっと幸せに思えて、時に赦して、未来に希望がもてたりする。
思い出の役割って、そういうことなんじゃないかな。
逆に、
希望が持てない時って、
そんな思い出も忘れてしまってる時かもしれない。
思い出せないときかもしれない。