ヒ カ リ ノ 雫

わたしたちはこの世界に生をうけた一滴のヒカリ。世界はヒカリの波紋。愛のヒカリで溢れますように。sachi ブログです。

白い杖(1)



小学校 3年生の時に星になったおばあちゃんは
白内障が悪化して
晩年は、ほとんど視力が無い状態だった。

その為、外出する時はいつも白い杖をついていた。



おばあちゃんが星になって
わたしも少し大きくなったころ

それでもまだランドセル背負ってた頃





いつもの帰り道、誰もいないまっすぐな道の少し先に
白い杖をついて歩いている人がいる。
中年の男性だった。


白い杖については、他の人より知識があるし
この場合どういうスタンスで関わればいいか
すくなくとも、そこらへんの小学生の中では誰よりも分かっているはずと
自負はしていたものの



見知らぬ他人にそうした経験はなく、、


しかも、子供のころのわたしと言ったら
親戚の人も苦手という、家族に叱られるくらい極端な人見知りで
(今では誰も信じてくれない。。)

その上、一応10代に突入して「微妙なはずかしさ」も加算され

頭では分かっていても、
声をかけるどころか近づくことさえ到底無理だった。







なので、

ココロの中は罪悪感でいっぱいいっぱいだったけど
彼との距離が縮まらないように
彼に歩調を合わせて、数メートルの距離をたもったまま
ゆっくりと後方を歩いていた。

しずかに、

しずかに。。

 

彼が転ばないか、とか

そういう目線でのフォローというスタンスを選んだw
申し訳ない気持ちの中、それが最大限できることだった。




しばらくすると、後方から車が一台近づいてくる音がする。

近づくほどに、速度が落ちて
しまいにはわたしの真横にぴたりとつけて、
窓ガラスが開いた。

近所のおにーさんだった。



もちろん、素性はしっていても話したことがあるわけもなく
向こうはランドセル背負ってる子供だと思って
気安い感じだろうけど
こっちはもう一個のボスキャラ登場なくらいもぅ大変!www


「あのヒト、白い杖ついてる。

  乗せてあげたいくらいだけど
  今は急用でそうもいかない。

  後ろからそっと近づいて声かけて
  同じ道だけでいいから腕を貸してあげるといいよ。」





  !


  そ、そんなこと知ってるから!ww

  できてたらとっくにやってるし!

  でも出来ない!ムリ!

  てか、

  ごめんなさい!

  声かけないで!www







と、ココロで叫び。。。



リアクションにも戸惑いながらも
返事もできない状態でいた。


静かに、ひそかにパニック状態。。





おにーさんは、そんな子供を諦め、

少し加速させて、今度は白い杖の彼の横につけて
なにか話しかけた後、
ブブーンっと先を急いだ。









また静かに距離を保ったまま
彼の後方をついてあるく状態が
結局うちまで続いた。










この時の記憶がずっとココロノコリとしてあって

いつか、白い杖の人にあったら
躊躇せずにさっと手を貸してあげられるようになろうと
ココロに誓った小5の夏だった。











その時がくるのは、思った以上に時間がかかったのだ。







つづく










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