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ヒ カ リ ノ 雫

わたしたちはこの世界に生をうけた一滴のヒカリ。世界はヒカリの波紋。愛のヒカリで溢れますように。sachi ブログです。

向日葵

キヅキ
 
まだ20代の頃、
 
東京で働いてた当時の会社で
派遣でいらしてた年上の女性がいました。
 
 
年齢は不明でしたが
おそらく40代にはなってかも。
黒が大好きで、
ギャルソンが流行った頃を彷彿させるファッションを
いつも彼女らしく着こなしていました。
背が低くて、華奢な女性でした。
 
 
独身の彼女は、独特の自由な雰囲気をもっていて
よく仕事中にふわっといなくなり
30〜40分くらいしたら帰ってきてた。
それがだいたい1日1回ありました。
 
 
お昼も、みんなと連んで食べに行くことは少なく
かといって全くないわけでもなく
人に干渉されすぎないところで
独自の距離を、
人とも社会ともとっていたように思います。
 
 
 
 
お酒は大好きだから、
時々飲みに行くことはありました。
少人数でワイワイ。
 
酔いもまわると、珍しくプライベートの話をふっても
答えてくれます。
 
家族は東京ではない遠い地方、
妹さんが近くに住んでるけど仲が悪く
ほとんど口きいてないと。
彼氏は募集中。
 
 
ふむ、
 
 
 
 
そんなある日、うちに一通の封筒が届きます。
健康診断の胸部X線の結果、再診の必要アリと。
 
 
 
 
とても驚き、乳癌かも!?とも思ったり
でも本当に健康そのものだったし
 
 
とにかくパニックで
職場でもわーわー言って騒いでいましたw
 
 
でも、騒げたから
そんなに深刻ではないと
既に予知してたんだと思います。
 
 
私が騒げば騒ぐほど
暗い顔する人がいました。
彼女でした。
 
 
その日のランチ、
珍しく彼女も参加で
私ともう一人の女性スタッフとくりだしました。
 
 
そこでまた「乳癌かもしれない!」と騒いでたら
 
「わたし、乳癌なの。。」
 
彼女がつぶやきます。
 
 
え?!
 
 
「とっくに宣告を受けていて
     名医と言われる先生もご紹介頂いたんだけど、
     なかなか決心がつかなくて、
 
     それでも最近は痛くて目が覚めることもある。
      皮膚の表面まで、黒くなってきて、、」
 
 
ビックリしました!
 
知識がないなか、
大騒ぎして
すぐ隣で小鳥みたいに震えてた人がいたなんて!
 
 
「ごめんなさい!
      一人騒いで、すいません。
  
      怖い気持ちはとても良くわかります。
      でも、命まで奪われる可能性もあるので、
      そのまま放置せずに病院に行ってください!」
       
 
 
必死で呼びかけました。
 
 
そして数日して私は再診をうけて
あっさり誤診と判断され、元の生活に。
 
 
意を決した彼女は、病院にいってから
すぐに入院、手術となりました。
会社も辞めました。
 
 
 
術後、少し経って、同僚の女性と一緒に
彼女のとこにお見舞いにいきました。
 
元気になって欲しかったから
向日葵の花束をもって。
 
 
個室でした。
病室を見つけて、ノック。
聞きなれた声が返ってきました。
 
ゆっくり扉を開けると
目が合った彼女はビックリして
同時に両手で顔を覆い
静かにしばらく泣いてました。
 
落ち着いてから、
 
手術を受けてよかった、
危ないところだった、
片方の乳房を全摘出して
経過は良好。
腕が肩までしか上がらないけど
これからリハビリして
筋肉つけて戻していく、
 
 
そんな話をゆっくりしてくれました。
 
 
私たちは、
 
生きることをキチンと選んだことを賞賛し
いつかまた一緒に働けたらいいね、
と、お話ししたりしました。
 
 
 
とてもお天気の良い日で
真っ白な病室やシーツが、
余計にまぶしくて
 
向日葵がやけに黄色く輝いて見えました。
 
 
 
 
 
 
 
それから数ヶ月して、
 
彼女からの留守番電話に気がつき
折り返してお話し。
 
 
 
退院して普通の生活に戻ってると、
 
今回の件で、あの後もいろんなことがあった。
 
仲があまり良くなかった妹さんが
「お姉ちゃんの為に作ったから」と
特別な下着を手づくりしてくれたそう。
 
なんと妹さんは下着デザイナーだったのです。
 
 
バストが今までとおり綺麗に見えるように
心を込めて作ってくれて、本当に嬉しかったと。
お陰様で仲直りが出来たとのことでした。
 
 
 
更に
 
「年下の彼氏ができたの」
 
こんな嬉しい告白まで!
 
 
 
 
「彼は私のすべてを受け入れてくれたの」
 
 
 
「よ、良かった!
    本当に良かったですね!」
 
 
感激しました。
本当に嬉しかった。。
 
愛の深さは、計り知れません。。
 
 
 
 
「お見舞いに来てくれた時
    もってきてくれた向日葵が
    今も忘れられない。
 
    たくさん元気もらったの。」
 
 
 
 
 
 
 
なくなったところ、
空いた穴みたいなところ、
傷付いたところ、
 
 
みーんな「愛」で埋まりました。
 
 
 
 
彼女が今、電話の向こうで
愛に囲まれた生活をして
感謝で暮らしていることがしみじみ伝わってきました。
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・・・
 
 
 
 
 
 
時に、残酷に思える出来事も
いろんな気付きのチャンスとなり
愛をもたらして
真の幸福に導くこともあるのだと思います。
 
 
 
どんな境遇も、
そこに意味があるのだとうけとめ
越えていこうとするところに
ヒカリがもたらされるのではないでしょうか。
 
 
 
 
 
 
いつも、そばに
目で見えない大いなる存在があるのだから。